沢庵和尚にまつわる話をご紹介します。
ある時、結婚する事になった若い武士が、「後学の為に、好ましい家庭と好ましくない家庭を見てみたい」と沢庵に申しました。そこで、沢庵はまず武士を好ましくない家庭に連れて行きました。
その家ではちょうど食事の最中でした。しかし、息子がおならをしたため、父親が激怒してみんな暗い表情でご飯を食べていました。
次に、沢庵は武士を好ましい家庭に連れて行きました。
ここでも家族は食事中でした。そして、同じく息子がおならをしたのですが、父親はこう言って笑い飛ばしたので、家族もそれにつられ、大笑いをしていました。
「昼間、剣術の練習で緊張したので、それがゆるんだのだろう。気にすることはない。どれ、わしもおならをさせてもらおう」夫婦になって家庭を持ったら、笑いの絶えない家にする。沢庵はそのことを武士に教えてあげようとしたのです。
笑いには、気持ちをおおらかにして、人をなごませてくれる不思議な力があります。その場の雰囲気を明るくポジティブにしてくれる作用があります。
そのため、そこに居る人達は清々しく快適な気持ちになります。
笑う門には福来るといいます。伊勢地方に行くと、一年中しめ縄があります。そこに書いてありますのが【笑門(しょうもん)】と言う文字です。笑う習慣を身につける事は、とても大切です。